文学
堀辰雄「浄瑠璃寺の春」
堀辰雄のエッセイ「浄瑠璃寺の春」は、太平洋戦争のただ中にあった1943年(昭和18年)、「婦人公論」6月号に「大和路・信濃路」の「浄瑠璃寺」として掲載されたのが初出です。後に高校の国語の教科書に採用されたことで、美しいエッセイとして広く知られるようになりました。ある年代の人にとって、浄瑠璃寺に憧れをいだいたきっかけが、高校で読んだこのエッセイだったという話は、そう珍しくないようです。ちなみに、作品に登場するジャケット姿の少女は2018年12月に亡くなられましたが、少女の頃と変わらずおしゃべりが大好きなお婆さんだったそうです。
»この作品を読む…和辻哲郎「古寺巡礼」
大正7年の5月に、29歳の和辻哲郎は、友人たちとともに奈良とその周辺の寺々をめぐり、歴史の古い建築や仏像など古美術を目にした感動を、瑞々しい感性で情熱的に書き留めました。その翌年出版された「古寺巡礼」は、奈良のバイブルとして今も読み継がれています。ここでは、浄瑠璃寺を訪れた日の記述のみ抜粋しています。
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