※署名用紙配布場所もご覧ください。
京都府の南山城にある浄瑠璃寺、岩船寺の名刹、野山に点在する石仏巡礼で知られる当尾の里は、のどかな自然風景の中にあります。そして訪れる人に心の安らぎを与えています。
この両寺と当尾の里は奈良が南都と呼ばれた千年の昔から、奈良仏教の仏道修行・教学研鑽・浄土信仰の地、いわば奈良の奥ノ院のような聖地でした。
中でも浄瑠璃寺は、平安時代に広まり京の都にも多く造られた九品仏(九体仏)が現存する全国唯一の貴重なお寺で、御堂とともに国宝です。
また阿弥陀堂前の特別名勝史跡である池と庭園、対岸の国宝三重塔にまつられる東方薬師瑠璃光仏(重文)は平安時代の浄土信仰を伽藍で表現した典型です。
そのほか国宝四天王像、重文の吉祥天女像・地蔵菩薩像など多くの文化財を蔵し、いわば平安創建時の仏教文化財の粋がそのままに残る日本でも稀有な寺です。
印度に始まった仏教が日本に定着し、日本人の心の拠りどころとなった「極楽浄土」そのものと言ってもよいでしょう。
今この浄瑠璃寺に隣接する位置に、奈良市はごみ焼却場(クリーンセンター)を建設する計画をもっています。人口三十六万人の大量のごみを焼却する大型の施設です。
煙突は百メートルの高さを持つとされますが、地形から見て排気ガスが滞留する恐れがあり、施設から最短三百八十メートルの距離にある浄瑠璃寺に降り注ぎ、浄土池や周辺の自然環境を汚染し文化財を損ないます。
千年たった文化財は木材・金属・絵具など材質がもろくなっており、わずかな環境悪化にも耐えられません。
奈良市がこの地を選んだのは最悪の選択であります。
世界に誇れる浄瑠璃寺の文化財を未来の人類に伝えていくという崇高な責務を果たすために、今すぐにも現計画を撤回し、再考をお願いしたいと思います。
浄瑠璃寺と当尾の里をまもるため、皆様のご署名とお声を奈良市長に届けますのでご協力をお願いします。
平成二十七年夏
「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」発起人一同
© 浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会
浄瑠璃寺南に奈良市ゴミ焼却場を建設する現計画を撤回するよう求める署名の情報を発信しています。