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2017年8月7日(月)第二回目の署名提出を行いました

  • 私たちは仲川市長の現計画断念表明を心から歓迎します。そこで、市長の英断を後押しし、奈良市に対して現計画の正式な撤回を促すため、早急にみなさまからお預かりした署名を奈良市に提出する必要があると考え、本日第二回目の署名提出を行いました。

  • (2017年8月7日(月) 午後7時22分8秒 更新)

皆様からお預かりした署名を奈良市に提出しました。写真は細川涼一先生。

署名提出の概要

 浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会(発起人:般若寺住職 工藤良任〈代表〉、浄瑠璃寺住職 佐伯功勝、弥勒の道プロジェクト 遠藤千尋)は、2015年7月10日、「浄瑠璃寺南に奈良市ゴミ焼却場(クリーンセンター)を建設する現計画を撤回するよう求める」署名活動を開始しました。本署名活動開始後、これまでに北海道から沖縄、さらには海外からも、奈良市の計画を憂う多くの人々から署名が寄せられ、2017年8月7日現在、当会では24,859筆の署名をおあずかりしています。

 すぐ北に浄瑠璃寺と浄瑠璃寺奥之院、東には岩船寺の源流でもある鳴川山寺、西には中川寺跡と、奈良市が選んだ最終候補地は、かつて小田原とよばれ、南都の先人達が修行と教学に励んだ、まさに「南都の別所」と言うべき、歴史ある地のただ中にあります。そのような場所に、現代世代のごみを焼く煙突を建てるというのは、世界遺産を多数擁する古都奈良にふさわしい行いなのでしょうか。私たちは後世に申し開きのできない、将来に禍根を残す計画だと考えています。

 さて、さる2017年7月9日の奈良市長選挙で、現職だった仲川げん氏が三選を果たされました。そして、7月12日に開かれた選挙後初の会見で仲川奈良市長は、現在の奈良市クリーンセンター移転計画を「断念する」考えを表明しました。

 私たちは仲川市長の現計画断念表明を心から歓迎します。そこで、市長の英断を後押しし、奈良市に対して現計画の正式な撤回を促すため、早急にみなさまからお預かりした署名を奈良市に提出する必要があると考えました。なお私たちは、今回の署名提出をもって活動を終了することはありません。私たちは、奈良市が現計画を撤回したと確認できるまでは本署名活動を継続し、何度でも署名を提出します。

 署名提出の詳細は下記の通りです。

署名提出先

仲川げん 奈良市長

提出物

自筆署名
9,608筆 [前回15,251筆]/累計24,859筆
名前の公表を承諾された賛同人のみなさまのお名前とコメント
217名 [前回317名]/累計534名
Change.org に寄せられたインターネット署名とコメント
280筆 [前回337筆]/累計617筆
  • 今回提出したのは前回提出日(2016年2月15日)以降2017年8月7日現在までの署名です。

出席された呼びかけ人の皆様

  • 宮城 泰年 師(本山修験宗第四代管長・聖護院門跡五十二世門主・京都宗教者平和協議会理事長)
  • 細川 涼一 先生(京都橘大学文学部教授 日本中世史)
  • 関川 鶴祐 師(臨済宗僧侶 薩摩琵琶)

署名提出の流れ


10:30
奈良市役所市長室にて署名提出

10:45
奈良市役所記者室にて署名提出と署名継続に関する記者発表・質疑応答(15〜30分)

11:00
終了

浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会 代表 工藤良任(般若寺住職)のコメント

この度の奈良市長から表明された浄瑠璃寺横へのゴミ焼却施設移転計画を断念するとの英断を歓迎します。全国の浄瑠璃寺ファンの皆様のご署名の賜物と守る会一同と共に感謝いたします。移転計画断念が確定するまでは守る会としては署名運動を継続しますので皆様のご協力お願いします。

呼びかけ人・賛同人のみなさまから寄せられたコメント

添田 隆昭 師(高野山真言宗宗務総長)

仲川市長様の英断に篤く敬意を表します。地元を始め全国の皆様の叡智の賜物と存じます。

平 雅行 先生(仏教史学会会長 大阪大学名誉教授)

焼却場の建設予定地である浄瑠璃寺南の地域は、鎌倉仏教の先駆者ともいうべき中川寺実範上人のゆかりの地でもあり、歴史的遺産としての学術的価値が非常に大きいと考えます。奈良市が速やかに、現クリーンセンター移転計画の撤回を正式決定するように希望いたします。

細川 涼一 先生(京都橘大学文学部教授 日本中世史)

浄瑠璃寺や中川寺跡周辺はお寺の歴史的景観と周囲の自然が一体になってこそ意味のあるものです。ここにゴミ焼却場を建設する現計画の断念を市長が表明されたことはありがたく、是非とも現計画の撤回を奈良市として正式に決定されるよう期待いたします。

箕輪 顕量 先生(東京大学大学院教授 仏教学・東アジア仏教)

自然や文化は一度、破戒されてしまうと、もとに戻りません。次の世代に伝えたい大事なものが守られるという話を聞き、大変嬉しく思います。改めることができるというのも、大事なことの一つだと思います。

安本 義正 先生(京都文教短期大学学長)

歴史的も大変貴重な文化遺跡を含む環境を破壊するようなことは決してあってはなりません。奈良市長のお考えのように、是非とも建設計画を撤回していただくようお願いいたします。

関川 鶴祐 師(臨済宗僧侶 薩摩琵琶)

養老孟司氏の言葉に「不幸は文明から、幸せは自然からくる」というものがあります。地震、津波、豪雨そして原発…。今、私達は自然災害の脅威と文明のありかたが厳しく問われている時代を迎えております。失ってはならない自然そして文化の共生の道を、良識ある行政を切にお願い申し上げます。

山本 勉 先生(清泉女子大学教授 東京国立博物館名誉館員 文化審議会文化財分科会第一専門調査会委員)

浄瑠璃寺につながる奈良市北郊地域は、平安時代後期から鎌倉時代にかけての仏教文化の展開を解明するための多くのそして大きな課題を秘めた重要地域です。地域の環境が守られ、関連諸分野の調査研究が展開されることを期待しています。

当日の様子

 残念ながら今回も署名を仲川市長に直接お渡しすることはかないませんでしたが、前回の署名提出と異なり、ご対応いただいた奈良市担当者の表情が柔らかく、終始なごやかな雰囲気だったことが印象的でした。

 宮城泰年師は、市長に直接署名を渡すことができないことが残念である旨、担当者に伝えられました。細川涼一先生は、鎌倉仏教史をご専門とされる立場から、中川寺を開いた実範上人は、貞慶、叡尊の戒律復興の先駆であって、奈良鎌倉仏教の源流と言える存在であることを指摘され、奈良市としても中川寺跡の調査研究を進めるよう希望されました。関川鶴祐師は、自然との調和が大切であることを訴えられました。

 奈良市の担当者からは、仲川奈良市長から現計画断念の方針が示されたので、行政としてもこれからそれを具体化するべく作業を進めていくとの、心強い回答を得ました。

 当会代表の般若寺住職工藤良任からは、奈良市のクリーンセンターが、現計画と異なるより良い計画の下、実際に建設されるまでしっかり見届けたいとの決意が表明されました。

奈良市担当者に語りかける浄瑠璃寺の佐伯功勝住職。

署名提出の後、奈良市政記者クラブの記者室で、新聞各社との質疑応答がありました。今回は台風の近づく中だったこともあり、また市長の方針を歓迎する立場からの署名提出でもありましたので、前回署名提出時よりもメディアの注目度が低かったのが実情です。

質疑応答では、あまり知られていないと思われていた中川寺が、南山進流声明発祥の地として、意外に広く知られていたことなどが話題になりました。実際に記事にはならないかもしれませんが、奈良の記者の皆さんに専門家の解説を聞いていただけたのはよかったと思います。

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