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2024年12月5日(木)第三回目の署名提出を行いました

  • 奈良市クリーンセンターの建設候補地が再選定されることになりました。浄瑠璃寺南も再選定の対象となる見込みです。そこで私たちは、今一度浄瑠璃寺南に奈良市クリーンセンターを建設するべきではないことを奈良市の皆様に思い起こしていただくため、本日第三回目の署名提出を行いました。

  • (2024年12月5日(木) 午後3時55分18秒 更新)
第三回目の署名提出を行いました

皆様からお預かりした署名を奈良市に提出しました。

署名提出の概要

 私たち「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」(発起人:般若寺住職 工藤良任〈代表〉、浄瑠璃寺住職 佐伯功勝、弥勒の道プロジェクト 遠藤千尋)は、2015年7月10日、「浄瑠璃寺南に奈良市ゴミ焼却場(クリーンセンター)を建設する現計画を撤回するよう求める」署名活動を開始しました。本署名活動開始後、これまでに北海道から沖縄、さらには海外からも、奈良市の計画を憂う多くの人々から署名が寄せられ、2016年2月15日の第一回署名提出では自筆署名15,630筆・インターネット署名343名を奈良市に提出しました。

 その後仲川市長が、2017年7月12日の記者会見で、浄瑠璃寺南へ奈良市クリーンセンターを移転させる計画を断念すると表明しました。私たちは仲川市長の英断を歓迎し、これを後押しするため、2017年8月7日に第二回署名提出として自筆署名9,608筆(累計25,238筆)・インターネット署名280名(累計623名)を奈良市に提出しました。また2019年12月20日には仲川市長が広域化による新クリーンセンターの建設を目指すと発表しました。そのため私たちは奈良市の方針転換がある程度確実になったと受けとめ、2019年12月ごろに署名活動を事実上休止しました。ところが市長の断念表明から七年以上経った2024年11月6日、第66回奈良市クリーンセンター計画策定委員会において、浄瑠璃寺南が再び候補地の一つとなる形で、候補地選定をやり直すことが決まりました。

 すぐ北に浄瑠璃寺と浄瑠璃寺奥之院、東には岩船寺の源流の一つである鳴川山寺跡、西には中川寺跡と、浄瑠璃寺南の候補地は、かつて小田原とよばれ南都の先人達が修行と教学に励んだ、まさに「南都の別所」と言うべき歴史ある地のただ中にあります。特に中川寺跡は候補地の中にあります。そのような場所に現代世代のごみを焼く煙突を建てるというのは、世界遺産を多数擁する古都奈良にふさわしい行いなのでしょうか。私たちは浄瑠璃寺南に奈良市のクリーンセンターが建設されれば将来に禍根を残すことになり後世に申し開きができないと考えています。また浄瑠璃寺南への移転計画では、道路渋滞が奈良市東部地域の市民生活に与える悪影響を低減するため、現行の環境清美センターを中継施設とし夜間にゴミを巨大なトラックに詰め替えて運ぶといった無理のある計画が議論され、最後まで計画の具体化には至りませんでした。仲川市長が浄瑠璃寺南への移転を断念したことは、歴史的に重要な遺跡の保護・歴史的景観の保全・奈良市民全体の利便性・東部の市民生活への影響等、以前の奈良市クリーンセンター計画策定委員会が取りこぼしていた様々な観点に基づくものと思います。

 そこで私たちは奈良市クリーンセンター計画策定委員の皆様や奈良市民の皆様に、浄瑠璃寺南に奈良市クリーンセンターを建設するべきではないことを今一度思い起こしていただくべく、第二回署名提出以降に全国の皆様からお預かりした自筆署名6,139筆(累計31,377筆)・インターネット署名64名(累計687名)を本日改めて奈良市に提出いたしました。署名の趣旨にある「現計画」は署名活動を開始した2015年7月時点の計画を指しますが、3万を超える人々が本署名に込めた「浄瑠璃寺南に奈良市クリーンセンターを建設しないでほしい」という願いを、奈良市と奈良市クリーンセンター計画策定委員会が重く受けとめてくださることを切に願います。なお浄瑠璃寺南に奈良市クリーンセンターが建設される可能性が残る限り私たちは署名活動を継続いたします。

 署名提出の概要は下記の通りです。

署名提出先

仲川げん 奈良市長

提出物

自筆署名
6,139筆/累計 31,377筆
Change.org に寄せられたインターネット署名とコメント
64名/累計 687名

今回提出した署名の総数:6,203筆

  • 今回提出したのは前回提出日(2017年8月7日)以降 2024年12月5日現在までの署名です。
  • インターネット署名数がウェブサイト記載の数と異なるのは署名提出後に削除されたアカウントがあるためです。

発起人以外の出席者

  • 宮城 泰年 師(京都聖護院門跡第五十二世門主・本山修験宗管長・日本宗教者平和協議会代表委員・京都仏教会常務理事)
  • 他、三名(京都側地元住民)

これまでの署名提出とできごと

2016年2月15日
第一回署名提出 自筆署名15,630筆・インターネット署名343筆
2017年7月12日
仲川市長が浄瑠璃寺南への奈良市クリーンセンター移転を断念
2017年8月7日
第二回署名提出 自筆署名9,608筆・インターネット署名280筆
2019年12月ごろ
署名集めを事実上休止
2024年11月6日
浄瑠璃寺南が再び建設候補地の一つへ(市長の断念表明から7年後!)

署名提出の流れ

10:00 当会関係者は奈良市役所1階平城京模型前休憩スペースに集合いたします。
10:30 奈良市役所指定の部屋にて署名提出
10:40 奈良市政記者室にて署名提出に関する質疑応答
11:00 終了

呼びかけ人のみなさまから寄せられたコメント

宮城 泰年 師(京都聖護院門跡第五十二世門主・本山修験宗管長・日本宗教者平和協議会代表委員・京都仏教会常務理事)

 浄瑠璃寺南のクリーンセンターは許してはなりません。

平 雅行 先生(大阪大学名誉教授・京都先端科学大学名誉教授)

 焼却場の建設予定地である浄瑠璃寺南の地域は、鎌倉仏教の先駆者ともいうべき中川寺実範上人のゆかりの地でもあり、歴史的遺産としての学術的価値が非常に大きいと考えます。それだけに、浄瑠璃寺南に奈良市ゴミ焼却場を建設する計画を是非とも撤回されるよう希望いたします。

安本 義正 先生(京都文教短期大学名誉教授)

 浄瑠璃寺南への奈良市クリーンセンター移転計画の断念を念願しています。

関川 鶴祐 師(臨済宗僧侶 薩摩琵琶)

大和路の喜光寺まいりの田んぼ道   一九七○
西大寺から喜光寺への道…
田園一面に蓮華の花、雲雀舞う長閑な風光…
その後の開発によりことごとく失われました。
“自然”は“いのち”。“文化”は“人生”。
自然〜里山〜都市のベストミックスを考える時です。
護美処理の現実と伴に生活の処し方が求められます。

当日の様子

 今回は奈良市役所北棟6階のクリーンセンター計画推進課近くにある会議室で、クリーンセンター計画推進課長の西川氏に、当会発起人で浄瑠璃寺住職の佐伯が署名をお渡し、浄瑠璃寺南が二度と最終候補地とならないようにしていただきたい旨、力を込めてお伝えしました。また当会代表で般若寺住職の工藤が、奈良市クリーンセンター建設計画策定員の皆様に宛てたお手紙を西川氏に託し、浄瑠璃寺南のエリアにある中川寺跡の歴史的価値についてお話ししました。

 署名の呼びかけ人として京都市内から駆けつけてくださいました聖護院ご門主の宮城泰年猊下は、浄瑠璃寺を大切に思う気持ちで署名活動の当初から呼びかけ人を引き受けてこられたことをお話しいただきました。

中川寺跡があることについて説明する代表の工藤良任。

クリーンセンター建設推進課長の西川氏に中川寺跡があることについて説明する代表の工藤良任(奥から工藤良任、宮城泰年猊下、佐伯功勝)。今回は複数の放送局が取材に来られました。

署名提出の後、奈良市政記者会の記者室で、メディア各社との質疑応答がありました。今回は京都側からも複数のメディアが取材に来られました。奈良だけではなく京都側でも報道されることには大変意義があると思います。

記者室での質疑応答。

記者室での質疑応答に備える当会関係者。

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